「ぽっくり死と長寿」その3

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左はこのシリーズ現在、2号に掲載:: 右は未来

松岡正己

<前口上>


年をとると一番風貌に影響するのは頭髪ですが、今回の写真は未来の筆者?この写真のように禿げない内にぽっくり逝きたいものですね。(photshopを使ってお遊び)例え長生きしてもこのようには、禿げないものと確信しているのですが。

<ストレスと寿命>


 ストレスにさらされ続けると、NK(ナチュラルキラー)細胞の数も減り免疫力が減少してきます。それだけ病気にかかりやすくなるわけです。ガンとストレスとの関係が次第に注目を集めています。
 ガンに好かれる職業ワースト5を、ある日本の生命保険会社が調査してます。米国では喫煙者はガンにかかりやすいということで非喫煙者より保険料が割高です。日本でも将来的には、職業やライフスタイルによって保険料に差をつけたいというのが保険会社の本音でしょう。ガンで死亡する危険度の高い仕事の保険料を値上げするための基礎データとして研究しています。
 20歳から60歳までの50万人を職業別に約50に分類し、在職中にガンで死亡した人の多い集団を調べたものです。一般の55歳から59歳までのガン死亡者発生率を1として、それと比較してどれだけガン死が多いかを比較しています。
 第1位のマスコミ関係は、55〜59歳の日本人全体の平均より、ガンで死亡する率はなんと2,6倍も高い。
 新聞労連の調査では92年からの2年間の在職死亡者は166人。このうちガンが41%。全国死亡者のうちガン死は28%だから、明らかに新聞社員の41%は異常に高いと言えます。民放送連のデーターはさらにこれを上回り、ガン死によるものは55%にもなります。あるテレビ局の社員は「生活のリズムが不規則で、ストレスも多い。身体に異常を感じても、周りのスタッフに迷惑を掛けたくない、自分が休むと番組が作れなくなるといった病院に行けない雰囲気が、気がついたら手遅れだったということになる」と話しています。
 ワースト2位は交通機関の乗務員で2,5倍です。タクシーの運転手さんの仕事は24時間働いて次の1日は休み、または昼間は疲れて寝ているといった不規則な生活の上に客とのトラブルや交通渋滞のいらいらなどで神経が疲れるのでしょう。
 第3位は金融機関の職員で2,3倍。ノルマ達成のため、接待ゴルフや麻雀など夜の付き合い、朝は早くから出勤して業務をこなす日々が過度のストレスになるのでしょうね。
 商社員の2,2倍、、生産工場管理職の2,0倍、、中小経営者は8位で1,6倍、、、、中小学校の教師が9位、、個人商店主は13位で1,4、、これに地方公務員、弁護士、税理士などの自由業が1,3倍で続く。
 何故ストレスがガンの引き金になるのか、ガン細胞を押さえ込むNK細胞の活性が過度のストレスで低下すると研究が報告されています。米国での仕事とストレスの関係を別の角度から見た研究では、仕事の内容にどれだけ自分の裁量権があるか、時間を自由に使えるかで、いくら仕事がハードでもストレスはさほどに溜まらないということも言われています。
 上記のガン死ランキング13位以下は、上位に比べれば個人裁量の部分が比較的多いということも関係しているようです。
元気で長生きの秘訣は、自分の時計で働くことが大事です。
 笑うとNK細胞が増加して免疫力もつくという研究もありますので、折角のゴルフ大いに笑ってプレイしましょう。

<ぽっくり死と突然死>


ぽっくり死という言葉は、数日前までは元気で 過ごしていた方が1日とか1週間ぐらいの寝込みで亡くなる場合を一般には「ぽっくり死んだ」と言うようです。一方、突然死ははっきりした医学的定義があります。
 WHOは「原因の分からない疾病の兆候のない死で、長くても24時間以内の死であること」と定義してます。米国のBaroldiは「しかるべき疾患の既往歴無く、何らの治療をしていない一見健康と思われる人が、日常生活中に、臨床的に予想できない急激な死を遂げること。或いは急性、慢性の疾患の経過中に生じた通常では説明しがたい当然の死」と定義しています。
 突然死の死亡診断書での病名は、1時間以内のケースでは、心疾患80%、脳卒中14%、その他6%。24時間以内では、心疾患は少し減って72%、脳卒中16%、その他12%となっています。
 若年者での突然死は心臓奇形によるものが多いようです。突然死が高齢者に多いのは当然ですが、突然死はあらゆる年齢層に起こっています。その発生場所はさまざまで、睡眠中がなんと33%も占めています。安静時、運動時ともに突然死は発生しております。運動時にやや多いという程度で、特に運動時に突然死がよく発生するわけではないようです。また、救急体制の整った大学病院内での突然死も報告されています。

<ゴルフと突然死>


先日、「ゴルフプレー後の突然死、熟年に急増」と題した記事が新聞に掲載されました。
 昭和59年から平成8年までに全国のゴルフ場で発生したプレー中の突然死は374件(東京衛生局監察医報告)。年齢別にみると、50歳以上が277人。30歳以下に人に比べると約10倍の危険度があります。健康群の24%に対して持病のある中高年では66%というデーターで、年間平均28人ものゴルファーがゴルフプレー中に突然死と書かれるとゴルフは危険なスポーツのように一般では受け取られかねません。
 先ほどの病院内でも突然死は起こりうるというデーターを見ますと、全国のゴルフ場で1日にプレーをする推定人数10万人(年間延べ約3650万人)からすると年間28人というのは取り立てて言うほどの数字ではありません。スポ−ツ危険度でランニング中での突然死の発生する割合を1とするとゴルフの危険度は0,6で、とてもゴルフが危険なスポーツとはとても言えません。

<スタート前には>


それでも、熟年の方は自動車を高速で運転(血圧が上がる)してきて、そのままあわてて1番ホ−ルに駆けつける、出だしからOB、次のホールでは4パット、、これでは突然死の確率が高くなります。歩行は早く、気持ちはゆったり、あまりスコアーにこだわらないゴルフを楽しいんでいただきたいものです。熟年になれば、若いときより30分は早くコースについて、ゆったり余裕を持ってスタートしたいものです。

<ライフスタイルと健康習慣>


7つの健康習慣
1,適正な睡眠時間(7〜8時間)
2,喫煙をしない
3,適正体重を維持する
4,過度の飲酒をしない
5,定期的に激しいスポーツをする
(1週間あたり400キロカロリー以上の身体運動を定期的に行う)
6,朝食を毎日食べる
7,間食をしない
ライフスタイルとさまざまな健康のかかわりに関する研究として、カリフォルニア大学プレスロー教授(Breslow)らの一連の調査が著名です。プレスローらは、さまぎまな生活習慣を調査する中から、七っの生活習慣が身体的な健康度と強く関連していることを見いだしました。
 これらは後に、プレスローの七つの健康習慣として、米国において国民健康調査にも応用されるとともに、各国で同種の研究が追試的になされました。このプレスローらの方法は、米国カリフォルニア州アラメダ・カウンティー(サンフランシスコ市の対岸にある地域)の住民約7000名を対象にた調査であり身体的健康度を大きく四つのカテゴリー(障害の程度・慢性疾患の有無・不健康症状・並びに全く不健康度なし)で分類し、かつ、それぞれのカテゴリーについて、いくつかの質問項目により、身体的健康度を段階的に評価しました。
 つまり、加齢とともに健康度が悪化することを明確に示すと同時に、驚くべきことに、七つの健康習慣のほとんどを守つている人は、同年齢の守っていない人に比べ、一般的に極めて高い健康度を維持していることが明らかとなりました。
      ちなみに、全対象者集団約7000名の平均の健康度(不健康度)は、リジット値(累積相対度数−いわゆる偏差値)0,5で表されていますが、たとえば七つの健康習慣のうち、良い習慣をせいぜい2個しか守っていない群では、偏差値0,5にまで健康破綻が進む年齢は約30歳である。ところが、七つの健康習慣をすべて守っている集団については、平均の不健康度(偏差値0,5)に落ち込む年齢は約60歳であり、単純に見れば、これら良い健康習慣の人は、悪い健康習慣の人に比べて、加齢の進行が極めて遅いと解釈できます。
 さらにプレスローらは、これら40歳以上の人を追跡集団として9年間追跡した結果、健康習慣の良いグループは悪いグループに比べて、男女とも数倍低い死亡率を示すことを報告しています。
 身体的健康度をリジット値(累積相対度数)によって分析したこれらリジット値は、いわゆる偏差値であり、全対象集群の中で最も健康度の高い人が0,0で、最も健康度の低い(つまり不健康度が最も高い)人を1,00として、平均の健康度が0,50になるような正規分布をつくることにより、それぞれの集団の健康度を定量的に評価するものです。
同様な調査が東京都でも行われました。米国では良いライフスタイルを持つ人の割合が男女とも20〜30%であるのに対して、東京では男性で20%、女性で45%で、日本の女性では半数近くが、極めて健康的な日常生活習慣を維持していることがわかりました。男性では加齢と共に良い健康習慣を持つ人は増加しますが、女性では年をとるほど逆に低下しています。これは女性において主として肥満が増加して、年を取るほど身体運動(スポーツ)をする割合が低くなるためです。
(つづく)

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