「ぽっくり死と長寿」その4

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matuと長尺

<前口上>


 ゴルフは技量のピークが年齢的に遅くやってくるスポーツです。ニクラウスは46歳でマスターズ6度目の優勝、昨年のマスターズと全英オープンを制したオメーラは42歳でした。ゴルフは体力と技術だけではなく、多くの経験と精神面が大きく影響するだけに、技量が熟成するのに時間がかかるということでしょう。
 60歳を越しても、若い人に負けずにplayできるスポーツはゴルフしかありません。その点では熟年者には有り難い。それでも飛距離は年々年齢と共に落ちて行きます。
これが超長尺ドライバーの出現でかなりカバー出来るようになり、これもまた熟年には有り難い。上の写真のように超長尺に挑戦、長いほど遠心力が大きくなり、飛距離は伸びますが、基礎体力をある程度鍛えてないとあちこちを痛めます。私は腰と左手関節を痛めました。熟年者にとっての基礎体力とは何でしょうか。それは歩くことです。

<江戸時代にはどれだけ歩いたか>


 人間に取っての基本動作である歩くという動作は文明の進歩と共に減ってきました。すべて自分の足しか頼るものがなかった江戸時代では、一人前の男として認められる一つの基準は1日10里(40キロメーター)でした。さまざまな乗り物を利用する現代人は1日に歩く距離はどれぐらいでしょうか。江戸時代の十分の一というところでしょうか。
 ちょっとそこに行くのにも、自転車、自動車の生活スタイルでは、多くの方々が1日に歩く距離は4キロメーター前後でしようか。私の診療所にくる専業主婦の方にお願いして、万歩計を付けて、朝起きてから寝るまで何歩歩くかを調べたことがあります。大体8000歩が平均的の数字でした。歩幅を50cmとすると4キロメーター、約1里です。
 糖尿病の方々には1日の歩数を記録して貰っています。1万歩(約6キロメーター)を毎日の目標にしていただいてますが、全員なかなか達成できていません。とくに自宅自営業でデスクワークが仕事の方は仕事優先で、一日一万歩が達成しにくいようです。
 典型的な多忙な自宅営業である筆者も一日一万歩が達成できません。そこで6000歩を最低の義務として2日毎に100球の球うちに行くでなんとか誤魔化しています。
 大阪城を毎朝一周をやりだしたから、血糖降下剤が要らなくなった糖尿病の方もおります。ゴルフはシングルの腕で、毎日数百球の練習をする方は仕事が忙しくなり、ゴルフ出来なくなると血糖値が上昇します。

<適度な運動とは>


歩くと背筋と腹筋が鍛えられます。特に背筋が弱くなれば、いいスイングも飛距離も望めなくなります。ゴルフはいいスコアーが出ると嬉しい。そのためにはかねてから出来るだけ歩くことが大切です。
死亡率と運動の関係を見てみますと、継続的に運動をしている方は、ろくろく運動をしない方に比べると5倍以上の差があります。適度の運動を続けると平均して8年から9年は運動能力の低下を遅らせることが出来ます。
それでは、適当な運動とはなんでしょうか。その方のその年齢に於ける最大運動能力の60〜70%を継続してすることです。例えば今の年齢で最速で100mを20秒で走れるなら、30秒ぐらいで走ることを意味します。若いときに12秒で走れたからそれを基準にするのではありません。最大運動能力は年齢により変化します。大切なのは、この運動を1週間に2〜3回を継続して行うことです。継続は力なり。
継続して運動を続けるためには、ゴルフはいい動機付けになります。

<カロリーを消費しよう>


寝ていても使われるエネルギー基礎代謝は約1500キロカロリーです。粗食の方でも2000キロカロリー、ご馳走を食べておられる方は優に3000キロカロリーを越しています。少なくとも1000キロカロリーはその日の内に消費しなければなりません。都会に住みビジネスに励む現代人にとって1000キロカロリーをその日の内に消費するには努力が必要です。
70kgの人が4kmを1時間で歩くときの消費カロリーは約140キロカロリーになります。体重が大きくて、もっと早く歩くと当然消費カロリーは高くなります。重い荷物を持つとそれだけ消費カロリーも高くなります。歩数と消費カロリーで見ると、1分間に約100歩(時速4,5km)のスピードで90分歩くと、300キロカロリーを消費することになります。
健康のためには最大心拍数の60から70%の心拍数になる運動を一定時間続けることが大切です。歩行はこの心拍数で続ける限り最も安全な運動です。40歳台では110〜125,50歳代では100〜120、60歳代では95〜110の脈拍数の範囲内で毎日一定時間歩くことが大切です。

<飛ばしのピークは>


50歳で飛ばなくなったと諦めるのはまだ早い。
人間であるから、筋肉の耐用年数はあるわけで、老化現象は避けられません。いつ頃から飛距離は落ちてくるのか大変興味があります。山田弥助プロにお聞きしたら、69歳でも飛距離はかわらんとのことでした。ちょと触らせて、、とプロの大腿部をなでなでしたら(気味が悪いこらっと怒られましたがね)筋肉ばりばりでした。
あるデーターによると、30〜40歳代で飛距離が落ちたと言う人が一番多かったそうです。金井精一プロ(58歳)は55歳の頃から3番アイアンが飛ばなくなったそうです。高橋勝成プロ(48歳)はストレッチトレイニングと道具の進歩で、若い頃とどっこいどっこいか、むしろ今の方が飛んでるかも、とのことです。(ゴルフダイジェスト誌より)
ほとんどゴルフの練習もせずにコースに出る人、日常生活で車ばかりで歩く機会の少ない方、月に数度のプレイだけ、それで50歳を越して飛距離落ちたというのは当然でしょう。30歳を越すと、どうしても脂肪の沈着が増え体脂肪が増加します。これでは筋力は低下せざるを得ません。
筆者は55歳でシングル入り、その時に7番アイアンで150ヤードの飛距離でした。60歳を越した今、150ヤードを6番です。3番アイアンはもう打てません。その代わりユーティリティクラブを愛用しています。ドライバーの飛距離は今も超長尺のお陰で変わりません。
飛距離の低下を防ぐには、まず運動。健康で長生き、健康で楽しいゴルフには、まず運動。月に2,3回のゴルフでは駄目です。日常的な毎日の運動が大切です。一番手軽で誰でも出来るのが歩くことです。通勤で1駅手前で降りて歩く。運動できないなら、あまりご馳走の日々を続けないようカロリー控えめに。うまいものたらふく食べたら幸せ一杯、それ短命への道、その分カロリーを運動で消費しましょう。
週刊ゴルフダイジェスト誌連載中の塩谷信男さん(医師)熟年ゴルファーの理想。65歳でシングル入り、エイジシューターを達成。97歳の今もゴルファー現役、、いやすごいですね。
熟年の皆さん、元気で長生きしてゴルフをエンジョイしましょう。

1年間にわたりご愛読(?)いただき有り難うございました。これにて終了。

謝辞

  本校執筆上で、関西医科大学公衆衛生教室教授 中園直樹先生、及び昇 幹夫先生には、資料提供とアドバイスを頂きまして、厚く御礼申し上げます。

 

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